ウエディングベールの歴史
ウエディングベールは花嫁の象徴ともなる存在ですが、単なるファッションアイテムではないことを知っている人はあまりいらっしゃらないと思います。
一生に一度の結婚式ですから、歴史や意味をしっかりと知っておくとより一層感動的な式になると思います。
【ベールの歴史】
ベール自体は紀元前から用いられていたとされる歴史の長いアイテムです。古代のベールは女性を悪霊や邪悪なものから身を守るもの、結婚するまでは周りの目から身を隠しておくため、花婿様に身を預けるその日まで娘を守り通したいという母親の愛の証や、宗教的、民族的習慣から日常的に着用されることが多かったと言われています。
ウエディングベールは教会式では着けるのが当たり前なので意味などを深く考えた人は少ないのではないでしょうか?
キリスト教では聖書により祈りの際に男性は帽子を脱ぐこと、女性は逆に頭を覆うことが礼儀とされているため、女性は教会に入る際には被りものの着用が求められていました。被りものはベールやスカーフ、ハットなど、その時代の流行りに合わせて様々でした。
【ウエディングベールの起源】
ウエディングベールの起源は諸説あって、定かにはなっていませんが一説として古代ギリシャの花嫁は後頭部に真珠を飾ったベールをつけ、花輪を飾ったと言われています。
古代ローマの花嫁は炉と家庭を司る女神ウェスタにちなんだ淡色のベールを被る伝統がありましたが、花嫁がローマ時代半ばに誕生したキリスト教信徒の場合は、純潔を表す白や聖母マリアを象徴するベールを被ったとされています。
以前アングロ・サクソン人の間では花嫁は父親の支配下にあると考えられており、誓約の後ウエディングベールを花婿の手で挙げることにより、花嫁が父親のものから彼の妻になったことを象徴するようになりました。
また、古代ローマでは悪霊から花嫁を守るために使用されていたのと、新郎・新婦の間にある「壁」としての象徴と考えられており、挙式で新郎がベールアップすることで二人の間の「壁」が取り払われ一緒になるとされています。
中世のイタリヤにも花嫁が純潔のしるしとして、長い髪を垂らすか薄いベールを被り、花輪をつける習慣がありました。
しかし、近年以降はしばらくウエディングベールが他の被りものに取って代えられ、18世紀半ばにヴィクトリア女王が結婚式でロングベールを着用されたことで人気が復活し今にいたります。
ウエディングベールについての歴史をお話させて頂きましたがいかがだったでしょうか?
ウエディングベールに憧れを持たれている方もいると思いますが、歴史や意味を知るとより一層憧れが強くなってくると思います。